事業紹介

研究

クチトレを使ったトレーニングしたことで起こる、さまざまな変化を研究し、
人の生活や社会に役立つ新しい療法・新しいプログラムの開発を進めてまいります

クチトレーニングは直接的に口輪筋を、間接的には顔面に広がる表情筋の多くに適切な負荷をかけるトレーニングです。
このトレーニングによって表情筋の質の向上がみられ、例えば無意識にポカンと開いている口が、自然に閉じていられるようになる等、本来のご自身の力を取り戻すことが期待できます。またその影響は顔貌の変化や表情の豊かさにもあらわれるため、美容効果が高いと評判の器具ですが、クチトレの本来の目的は、表情筋の質の向上による健康効果です。

弊社は、この健康効果を皆様に知って頂き、より満足できる毎日のためにご活用頂きたいと考えております。現在、国のプロジェクトで認知症、発達障がい児、睡眠時無呼吸症候群、乳幼児期の子どもの発達の4つのテーマでPatakara (クチトレ)を使用したトレーニングによる研究が行われています。

表情筋について

顔には、主に表情筋と咀嚼筋という2種類の筋があり、それぞれ違った役割を担っています。
表情筋は顔全体に広がっている筋で顔面を動かす時に使う筋で、骨に起始するが停止部ははっきりしていないため自由に動かすことができる細く脆弱な筋膜のない筋です。一方咀嚼筋は食べ物を咀嚼するために下顎を引き上げる時に使う筋で起始停止を骨に持つ筋膜に覆われた強い筋です。
その割合は、遺伝子が99.9%同じとされるチンパンジーでは咀嚼筋が圧倒的に発育し、ヒトは表情筋が圧倒的に発育しているという特徴があります。同時に人は前頭葉が大きく発達しており高い知能と機能を持っています。たった0.1%の差異が大きな差となっています。

表情筋の未発達な子ども達と表情筋が加齢によって緩んだり萎縮した高齢者のようすには、共通する点、似ている点が多くあります。
そして両者ともに、正しい使用方法でクチトレーニングをすると、筋力が向上し、同時に発達スピードやさまざまな機能に変化が起こる可能性が高いことが臨床の現場からわかってきました。
ヒトの進化に大きな意味と役割を持っているのではないかと考えられる表情筋とはどういうものか簡単にご説明します。

帆表情筋と咀嚼筋のバランスで形態が変化

帆表情筋と咀嚼筋のバランスで形態が変化 帆表情筋と咀嚼筋のバランスで形態が変化

表情筋の5つの特長

1. 表情筋は内臓筋由来

表情筋は系統発生学の観点から、進化する過程で内臓筋が頭部に伸びて顔の全面を覆って現在の表情筋になりました。内臓筋由来ならば副交感神経と関係があるのではないかと考えています。
例えば、クチトレーニングをするとほとんどの方が唾液がじわじわとたくさん出てくるのを実感されます。

2. 表情筋の多くは口輪筋と深く関連している

咀嚼筋は、骨に起始し下顎(骨)に停止した起始停止がはっきりした筋ですが、表情筋は骨に起始し他の筋や皮膚、脂肪などに停止している筋膜のない細く脆弱な筋で、多くは口輪筋に関連しています。口を左右に大きく動かすと、顔も一緒に動くことからも筋のようすが想像できます。
表情筋を効率よくトレーニングするためには、負荷を逃がさずしっかりかけるトレーニング方法が必要ということになります。

3. 唇を閉じたままにする力と歯を咬み合わせる力は違う

みなさんは、「口を閉じてください。」と言われたら、どのようにしますか?

1. 下顎を上げ、上顎の歯と咬み合わせて、上下の唇を閉じますか?
2. 歯は咬み合わせず、上下の唇を閉じますか?

1は咀嚼筋を多く使っています。2は表情筋を多くつかっています。

私たちは無意識に口を閉じている時、上下の歯を咬み合わせず、わずかに開いています。安静時顎位(あんせいじがくい)といいます。咀嚼筋は瞬発的に大きな力を出す動きに適した筋ですが、持続的な動きには不向きです。例えば、3分間、歯を咬み合わせ続けると、筋に負担がかかり起始停止の顎やこめかみ周辺に痛みや疲れが出てきます。(クチトレーニングでこの部分に痛みや疲れがある場合は、歯を咬み合わせていないか、確認してみてください。)表情筋は持続的な働きに適した筋が多く(遅筋)一日中、唇を閉じ続けることもできます。しかし、表情筋の力が低下すると、口が閉じていられなくなり、いつの間にか開いてしまいます。

4. 筋には閾値(いきち)がある

筋には閾値があり、閾値を越えなければトレーニング効果が出ない特性があります。
閾値に達しないとゼロで、閾値に達するとプラスになります。
人によって閾値は違いますが、頑張っているのに実感できる効果がでない場合は、閾値を越えていない可能性があるかもしれません。

5. 表情筋に負荷がかかると、脳血流量が増加し脳が活性化する

高齢者施設で口の機能が低下し、食事や会話に問題が起こっている方にクチトレーニングを行ったところ、口の機能の向上と共に意識がハッキリして意欲ややる気が起こり明るく活動的になった、きっと脳に何らかの影響があるに違いない、と臨床現場で話している、という報告をいただきます。
そこで、実際に脳血流や脳活性を画像でみることができる装置で検証してみたところ、クチトレ前とクチトレ最中からそのあと数十分間に大きな違いがあることがわかりました。

表情筋が口輪筋に集まっていることが分かります